家庭医学・健康
いい肥満、悪い肥満
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伊藤 裕 (著)
祥伝社
2022年3月1日
イラスト
1色, 面白, 医療, 男性, 図解
体の中に貯金をしている男性のイラスト

AIによる紹介
『いい肥満、悪い肥満』は、肥満に関する従来の認識を問い直す書籍で、肥満が必ずしも健康に悪影響を与えるわけではないことを示唆しています。著者は、肥満を一概にネガティブに捉えるのではなく、健康と肥満の関係における新たな視点を提供しています。
本書では、肥満が健康に与える影響が一律ではないことを強調しています。まず、肥満のタイプによってその健康への影響が異なると述べています。具体的には、内臓脂肪型肥満(腹部に脂肪が蓄積するタイプ)は、糖尿病や心血管疾患のリスクを高める一方で、皮下脂肪型肥満(体全体に脂肪が分布するタイプ)は、比較的健康リスクが低いことが多いとされています。このことから、肥満の影響を評価する際には、脂肪の分布や体内の健康状態を考慮することが重要だと提言しています。
また、著者は、肥満が必ずしも病気を引き起こすわけではないと強調します。例えば、「アディポネクチン」などのホルモンは、肥満者においても健常者と同じように分泌されることがあり、その働きが健康にとって有益である場合もあります。このようなホルモンの役割を理解することで、肥満の健康リスクを見直すことができると述べています。
さらに、著者は肥満に対する社会的な偏見にも触れており、肥満を持つ人々に対する偏見や差別が、逆にその人たちの精神的健康を害する可能性があると警告しています。肥満が必ずしも「悪い」と決めつけるのではなく、肥満を抱えた人々が健康的なライフスタイルを維持するための支援を行うことが、社会全体の健康促進につながるという視点を提供しています。
一方で、肥満が健康に悪影響を及ぼすリスクを減らすためには、食事や運動といった生活習慣の改善が欠かせないことも指摘されています。肥満を治療するためには、過度なダイエットや無理な運動ではなく、持続可能で健康的な方法で体重を管理することが重要だとされています。
最後に、本書は「肥満=悪」という固定観念を打破し、肥満に対するより柔軟で現実的なアプローチを提案しています。肥満を単なる体型の問題としてだけでなく、個々の健康状態や生活習慣といった要因を考慮して評価すべきだというメッセージを伝えています。
このように、肥満に対する新しい視点を提供し、健康における肥満の影響を多角的に捉え直すことの重要性を訴えかける書籍です。